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旅先の夜は、一人で静かに

#10 ミルクアンドハニー


旅の途中、夕食のあとに夜の時間をどう過ごしていますか。
私はホテルに戻って、写真を整理することが多いです。
だから、iPadはいつも持ち歩いています。
特に旅が長くなると、毎日きちんと写真を整理しておかないといけません。
旅が終わったあと、膨大な写真の山に押しつぶされたくなければ、ですが。

YouTubeやNetflixを見ることもあります。
これは旅というより、毎晩のルーティンみたいなものですね。

でも、そんな夜の過ごし方よりも、
宿の近くのバーに立ち寄って、
静かに一杯飲みながらバーテンダーと軽く話す時間のほうが、
やっぱり好きです。

バーテンダーからその土地の話を聞けることもありますし、
たまたま隣の席の人と会話が始まると、
その夜がまったく予想しなかった方向へ流れていくこともあります。

今回のモクポ旅行でも、
バーを一軒、探してみることにしました。

平和広場は商圏が発達しているエリアなので、
一人で気軽に一杯飲めるバーがあるだろうと思ったんです。
いわゆる「ウエスタンバー」と呼ばれるような店は、
意外と地方都市にも一、二軒はあるものですから。

そうして見つけたのが、
この「ミルクアンドハニー」です。

この店は、入店方法が少し独特です。
外からはドアを開けられないようになっています。
そのため、まずは「ノック」をします。

すると、店主がドアまで来て、
ネモ型のピープホールで客を確認し、
それからドアを開けてくれる、という流れです。

禁酒法時代に、客を選んで迎え入れていた
スピークイージーバーの文法を取り入れているようでした。

店内は、思っていたよりもずっと広いです。
バーカウンターには10席。
その奥には、10人ほど座れそうな大きなテーブルが一つあります。
2人掛けや4人掛けの小さなテーブルはありません。
空間をかなり贅沢に使っています。

二度の訪問とも、運よくカウンターに座れましたが、
週末は客が多く、
バーテンダーとゆっくり話す余裕はありませんでした。

お一人で切り盛りされているようで、
注文が一気に入ると、かなり忙しそうでした。

最初に訪れた日は、
夕食で肉料理を食べた日でした。
そこで、消化を助けるために、
炭酸を使ったカクテルをお願いしました。

そうして勧めてもらったのが、
店主のシグネチャーカクテルの一つ、
「キープ・ミー・アップ・レイト(Keep Me Up Late)」です。
青ぶどうソーダ、きゅうり、ライムジュースを使った、
爽やかなカクテルでした。

こちらは別の日に訪れた際、
クーラー系から始めたいと伝えたところ、
最初の一杯として勧めていただいた、
同じくシグネチャーの一つ、
「ナイス? ニース!(Nice? Nice!)」です。

レモンジュースとバジルを使った、
爽快感のあるクーラーでした。

このあたりで、
クラシックなカクテルも気になってきました。
店ごとにレシピがまったく違い、
作り手の個性が最も表れるカクテル、
オールドファッションドを注文してみます。

バーボンかライか、どちらをベースにするか聞かれたので、
バーボンでお願いすると、
バッファロートレースを使われていました。
コストパフォーマンスが良いと聞いたことがあります。

ゆっくりと、カクテルを作る工程を眺めます。
慎重でありながら大胆なボトルの扱い方や、
砂糖を溶かしたビターズを一気に入れず、
グラスに氷を一つずつ入れながら回して、
丁寧に馴染ませていくやり方を見ていると、
この一杯をどう考えているのかが伝わってくる気がしました。

バックバーに並ぶウイスキーも、手堅いラインナップです。
希少なオールドボトルはありませんが、
名前を聞けば誰でも分かる有名ボトルは、
ほとんど揃っていました。

価格も良心的で、
カクテルのあとにウイスキーも一、二杯いただきました。

会計をしようとすると、
サービスで一杯ずつ出してくれました。
ある日は、モクポに合うからと、
カティサークを一杯。
また別の日は、二日酔いドリンクだと言って、
「ガラマンデン・ペ」を出してくれました。

私はこれを、
バーテンダーのジョーク混じりのサービスだと受け取り、
楽しくいただいたのですが、
中にはうまく受け取れず、
そのまま店を出ていく人もいました。

いずれにせよ、
モクポでまったく期待していなかった、
良いバーに出会えました。

カクテルの腕は、なかなかのものです。
想像していたより、ずっと高いレベルでした。
ウイスキーの価格も悪くありません。

次にモクポを訪れることがあれば、
夕食後に立ち寄りたい一軒だと思います。

韓国のおじさん、zzoosでした。


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zzoos

live in seoul, love in drink, snap in breeze


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