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観光客に占領された、金沢の台所

#9 近江町市場


「旅にでたら、かならず現地の伝統的な市場にいくようにしてるんです。ふだん食べてるものと似てるけど、どこかちがう食材を見て回るのが楽しいじゃないですか。活気があって、みんな一生懸命働いて、買い物袋をもって値段交渉してて — そういう場所って、見てるだけでエネルギーをもらえる気がしませんか?」

これ、わたしが言ったわけじゃないんですけど、どこかで聞いたことある気がしませんか?

こういうことを言う人は、昔からたくさんいます。あまりにも多くの人が言いすぎて、もはや旅の暗黙のルールみたいになってしまってるんですよね。観光客は現地の市場にいくのが好きで、旅のコースにかならず組み込みます。

わたし自身は市場がとくに好きというわけじゃないんですが、有名な市場があれば義務感でふらっと立ち寄ってしまいます。

同じようなことは、ソウルでも起きています。

わかりやすい例が広蔵市場(クァンジャンシジャン)です。

いつごろからかはわからないんですが、最近の広蔵市場では韓国人 — すくなくともソウルの人 — を見かけることがほぼなくなりました。日常生活とはかけ離れた場所になってしまったんです。かわりに外国人観光客があふれています。

日本でも同じような状況はすぐに見つかります — 京都の錦市場がその代表例です。

あそこはもっとひどいんです。

人が多すぎて、足を踏み入れるのもやっとなくらい。まともに歩けないほどです。地元の人はわざわざその人混みをかき分けて買い物しようとは思いません。むしろデパートやスーパーに足が向いてしまうんですよね。

でも、京都旅行中に錦市場をとばすかといえば、そんな人はまずいないでしょう。

地元の日常の姿も見られればなおいいんですが、そうじゃなくても伝統的な市場はそれ自体で十分おもしろいんです。

わたしは京都にいくと、錦市場でつけものを買ってホテルに置いておき、旅のあいだずっとつまみにしています。人が多くてめんどうだけど、その活気がかえってエネルギーになるんですよね。

では、金沢の台所と呼ばれる近江町市場(近江町市場)はどうでしょう?

第一印象は「すでに観光客に占領されている」でした。

実際に買い物をしにきた地元の人がまったくいないとは言えませんが、市場を歩き回っている人の大半は観光客です。どうしてわかるって?いってみればわかります。見ればすぐにわかるんです。

地元の人に聞いても、同じことを言っていました。人が多すぎて不便だから、近所のスーパーか金沢駅2階にある100banマートに行くほうがましだと。

ただ、大切な食材が必要なときはまだ近江町市場を使うそうです。お客さんをもてなすための高い海産物とか、お節料理の食材とか。そういう大事なものを買うときには。

だから、近江町市場は金沢の人たちの日常からは離れてしまったかもしれませんが、完全に見捨てられたわけでもないんです。まだ彼らの食卓を支えている市場だと言えると思います。

はっきり言えることがひとつあります。みなさんが訪れたとき、市場は観光客でいっぱいのはずです。

じゃあ近江町市場はつまらないかといえば、そんなことはありません。

ここは海産物で有名な金沢です。

新鮮な魚、エビ、牡蠣などをたっぷり見られます。海産物にくらべて野菜を扱う店は少ないかもしれませんが、旬の野菜もたくさんあります。今回はたけのことわさびをたっぷり見ることができました。

観光客向けの食べ歩きグルメも充実しているので、「観光客が市場にいく理由」はじゅうぶんすぎるくらい満たされます。

通路はそれほど狭くないし、人がぎゅうぎゅうになるほどでもないから、のんびり見て回れますよ。

ひとつ気をつけてほしいのは、伝統的な市場だからといって安いと思わないこと。むしろ観光地プレミアムがついていることもありますから。

韓国のおじさん、zzoosでした。


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zzoos

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