今回の旅に出るとき、
まさかモクポで4泊することになるとは思っていませんでした。
モクポに2泊ほどして、
残りの2泊はクンサンへ行くつもりだったんです。
そのため、ホテルも2泊分だけ予約していました。
いろいろな理由があって、
結果的にモクポで4泊することになりましたが、
今思えば、それでよかったと思っています。
ただ一つ、心残りがありました。
クンサンへ行って、
ワンジュオクのトッカルビを食べたかったんです。
※ トッカルビは、牛カルビ肉をたたいて成形し、焼き上げた韓国料理です。
タミャンのやわらかい牛肉のトッカルビも好きですし、
豚肉の割合が高く、コスパのいいクァンジュのトッカルビも好きです。
さまざまなスタイルのトッカルビの中で、
いちばん好きなのはワンジュオクのトッカルビです。
肉はたたいてありますが、細かすぎず、
しっかりとした噛みごたえがあります。
焼いたときの香ばしさもよく、
香りがとてもいい。
無造作に添えられたスライスにんにくも、好きです。
値段が高いと言われることもありますが、
そもそも牛肉という食材は、
簡単に安くなるものではありません。

今回の旅ではワンジュオクのトッカルビは食べられないな、
そんな残念な気持ちでいたところ、
モクポにもトッカルビの店がいくつかあることを知りました。
そこで、この機会に一度行ってみることにしました。
ヨンアムトッカルビは自分の動線から少し外れていて、
ハンドン市場のすぐ横にある
ソンシクタンの本店が、
自分の動線にちょうど合っていたんです。
有名な店なので予約が必要だと聞いていましたが、
ちょうど近くにいたこともあり、
ダメ元で入ってみました。
寒い冬の平日だったからでしょうか。
運よく空席があり、
予約なしで食事ができました。

そして、ついにトッカルビが運ばれてきました。
それほど大きくない皿に、
あふれるほど盛られています。
中央には骨が一本入っていて、
「これが牛カルビだ」と
主張しているようでした。
骨の分だけ抜けた肉は、
その上にきちんと載せられていて、
結果的には一皿分の牛肉というわけです。
ざっと見た感じ、
肉のたたき具合はワンジュオクのものに似ています。
それで、期待がさらに高まりました。
ところどころに見える
しっかり焼けた焦げ目も、
食欲をそそる見た目でした。
箸で一切れ切って食べてみると、
あれ?
思ったほど肉の質が際立っているわけではありません。
でも、そもそもトッカルビという料理は、
肉の質が多少よくなくても、
たたいて焼くことで
おいしく食べるための料理です。
本当に質のいい肉なら、
わざわざたたく必要はありません。
そのまま焼いたほうが、
おいしいはずですから。

とりあえずソジュを一杯飲んで、
もう一切れ、食べてみました。
ああ、おいしい。
肉の質のことなど忘れてしまう、
はっきりとした「味」があります。
またソジュを一杯、
肉を食べて、
ご飯を一口、
おかずを食べて、
また肉、
またソジュ……。
そんな無限ループに入りました。
久しぶりに食べる、
本当においしいトッカルビでした。
あちこちの口コミで見かける
よくない話は、
自分は一つも経験しませんでした。
ご飯も肉もおかずもおいしく、
スタッフも不親切ではありませんでした。
無愛想ではありましたが。
ソジュと一緒に、
出てきたものをゆっくり味わっているうちに、
食事の時間は少し長くなりました。
当然、トッカルビも冷めてきます。
普通は、冷めた肉は
温かいときとは違う匂いが出てくるものです。
でも、このトッカルビは、
冷めてもおいしかった。
皿がそれほど大きくないので、
量は少ないのかなと思いましたが、
食べてみると、意外としっかりあります。
一人で食べるには十分な量でした。
港町の旧市街を歩いていて出会った、
トッカルビ一皿。
とても満足のいく夕食でした。
韓国のおじさん、zzoosでした。

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