7月の夏は暑かったです。阿久根の海は生き生きとしていました。自転車に乗りながら受ける風はさわやかでしたね。そして熱い太陽の下で、わたしの肌はすっかり焼けてしまいました。
そんな熱い太陽がサンセットロードの西に沈んで、小さな港町である阿久根にも夜がやってきました。
はい、そうなんです。
わたしの旅は、昼よりも夜のほうが大事なんですよね。
今回の投稿は、阿久根で過ごした夜の時間についての投稿です。

:: 地元のおじさんたちの行きつけ、あまみ
地図をみると、阿久根の繁華街はどうやら高松川の南のあたりのようでした。居酒屋や食堂がかたまっているところです。ちょうど宿からも橋をひとつ渡るだけの、近いばしょです。
地図で食堂を検索していて、わたしの目にとまったのがここ。あまみです。
正直、はなやかでおいしい料理を期待していったところではありません。観光客があまり来なさそうな、地元のおじさんたちのアジトのような気がして心が引かれたところなんです。



そしてわたしの予想はきっちり当たりました。
店のかたすみに山ほど積まれた、名前の書かれた焼酎のボトル。これこそ地元のおじさんたちのアジトだという証拠ですよね。観光客は焼酎をキープして飲んだりしませんから。ああいうボトルが多いほど、おじさんたちに人気の店だということになります。
メニューをずっとみてみると、ふつうの料理ばかりなんですが、だからこそ親しみのわくメニューです。すこしくねくねした字体まで、なんだかいいんですよね。

まず注文したのは刺身の盛り合わせです。たいしたことのない刺身ではありますが、意外にもこれがなかなかおいしかったです。
左上のマグロのようにみえる魚は、まるでアキタロウのような姿でした。味も似ていましたし。でも今は夏なので、アキタロウではないでしょうね。だとすると、メカジキかマカジキかもしれません。
その右の、脂がぎらぎらしてみえる青魚はカンパチです。今回の旅ではあちこちでカンパチによく出会いますね。やっぱりおいしいです。
正直、夏においしい刺身ってなかなかないじゃないですか。そんななかで養殖のカンパチはクオリティが保証されるだけでなく、あのサクサクした独特の食感とじゅうぶんな脂のおかげで、本当においしい魚なんですよね。
下のほうにはマダイとサーモン、そしてタコがあります。値段が安いわりには、なかなか揃った構成です。
そしてなによりこの店で驚いたのは、醤油がおいしかったことです。きっと市販の醤油を使っているはずなのに、なにか特別な処理をされているんでしょうか。刺身を一切れつまんで醤油をたっぷりつけて食べると、うま味が爆発します。おかげで、とてもおいしく一皿をたいらげることができました。

刺身一皿だけではおなかがいっぱいにならなくて、軽く食べるつもりで山芋鉄板を注文しました。
これは注文するたびに迷うんですが、鉄板の上に山芋をまるごと焼いたものが出てきそうな気がして、実はすりおろした山芋を焼いたものなんですよね。
食べてみると、山芋をすりおろしてそのなかになにかを一緒に入れてありますね。野菜とエビ、そして豚肉も歯にあたります。お好み焼きを食べているような気分にもなりますね。
韓国ではなかなか食べられませんが、日本の居酒屋では簡単にみつけられるメニューです。店ごとに少しずつアレンジもありますし。

:: 若い感じのクラフトビールとバーベキュー、B.B.スモークハウス
あまみで気持ちよく夕食を食べたあと、近くの町をぶらぶらしました。いろいろな日本酒を置いているというやきとり大利根で二軒目にしようか、と思って店の前まで行ったのですが、ちょうど定休日だったので引き返しました。
日が暮れて暗くなった阿久根の繁華街をまたぶらぶらしました。そうしてわたしの目にとまった店が、B.B.スモークハウスです。クラフトビールとバーベキューを出すところです。雰囲気もすこし若い感じですね。



正確な名前は思い出せないビールを二杯飲みました。最初に飲んだのはホワイトエールで、二杯目に飲んだのはウエストコーストIPAでした。
そして軽くつまみにスモークソーセージをひとつ注文したんですが。このソーセージが本当においしかったです。いっそここでちゃんとしたバーベキューを夕食に食べてみるのもいいかもしれない、という気もしますね。
そしてこの店の変わっているところは、冷蔵庫にタップがついていることでした。マスターのオオヤマ・タイチさんに聞いてみると、自分で冷蔵庫を改造して作ったそうです。どうせケグを冷蔵保管しなければならないので、冷蔵庫のなかにケグを入れて、冷蔵庫の扉に穴をあけてタップをつけたんです。たぶんこんな冷蔵庫は全国でこれひとつしかないだろう、と自慢していました。

:: 夜遅くを引き受けてくれるところ、もくれん
スモークハウスでマスターとずいぶん長くおしゃべりをしました。そして三軒目に行けそうな店を紹介してもらいました。すぐ近くにあるもくれんです。看板にはバーと書かれていますが、システムや雰囲気はスナックに近くみえます。
バー、スナック、スタンド……こういう業種の区別は日本人でもうまくできないくらいあいまいだ、という話は前にもしましたよね。だからわたしも、ただ自分の好きなように区別しています。ハハハ。
ここのシステムは一時間3千円の飲み放題です。歌を歌うときに別料金があるのかは確認できませんでした。今日は歌を歌わなかったので。
マスター、そしてお客さんたちとおしゃべりをしながら阿久根の焼酎をソーダ割りで飲みました。とちゅうで角瓶のハイボールも一杯飲んだような気がします。
背のとても高いマスターは親切で面白いです。ただ、わたしが訪ねた日にかぎってエアコンが壊れていて、室内がすこし暑かったんです。それで、きっかり一時間だけ飲んで宿に戻りました。



こうして、たった一日だけの阿久根の夜が過ぎていきました。
たぶんコンビニでなにか買って宿に行って、もうすこし飲んだような気もしますね。宿はものすごく涼しいですから。
阿久根は本当に小さな町です。繁華街といってもごく狭い通りだけですし。でもあちこちに面白い店が隠れているという感じですね。町の規模のわりに宿もそこそこあるのをみると、観光客がまったくいない町のようでもありませんし。
とにかくこの小さな町での一日は、かなり気持ちのいい時間でした。夏の晴れやかさと田舎町の素朴さまで、すべて感じることができました。
韓国のおじさん、zzoosでした。
