金沢への旅を計画しながら地図を広げてみると — 最近は地図を広げずにアプリを開くんでしょうか? — 金沢の観光スポットがとてもシンプルでコンパクトにまとまっていることがわかります。
金沢城と兼六園のまわりにすべてが集まっている、シンプルでわかりやすい構成なんですよね。
だからみなさん、少なくとも1日は金沢城と兼六園をふくめて市内中心部を歩いて観光する日程を組むことになります。


わたしにとっては、今日がその日です。
近江町市場からスタートして、金沢城のほうへ歩きはじめました。路地がつづく住宅街の雰囲気が、ある瞬間にぱっと開けて — うっそうとした木々があらわれます。
それがお堀通り。金沢城をぐるりと囲む道です。
むかしは金沢城を囲むお堀があったばしょで、そのお堀を埋めて道にしたのがお堀通りだそうです。名前のとおり、お堀の道ですね。
そして今日のわたしには、金沢城まわりの散歩がはじまるばしょでもあり、尾﨑神社があるばしょでもあります。


尾﨑神社は、韓国人にもよく知られている徳川家康をまつる神社だそうです。文禄・慶長の役で乱れた日本を立て直し、朝鮮とは平和外交を結んで江戸幕府を開いた人物です。
神社はそれほど大きくありません。金沢城や兼六園へ直行するかたには、あまり目につかない神社かもしれません。
広くはない境内ですが、雰囲気は静かでよかったです。遅くまで咲いていた桜のおかげで、風情がいっそう増していました。
古びて時の流れを感じさせる本殿も、独特の朱色のおかげで、厳かながらもどこか親しみやすい雰囲気があります。


神社を出て、本格的にお堀通りを歩きます。
ほんとうにきれいです。
みるだけで気持ちよくなる4月の新緑が、道の両側にあふれています。やわらかな風も吹いてくれて。晴れわたった青い空まで、旅を後押ししてくれているような気分です。
金沢城にはいるための門はいくつかあって、いちばん有名なのはおそらく石川門でしょう。
でも今日のわたしは、このお堀通りが気に入って、この道をずっと歩きたくなりました。だから鼠多門橋まで歩いて、尾山神社を見てから、鼠多門を通って金沢城にはいることにします。


江戸時代には、いまの尾山神社があるばしょに神社はなく、城の外郭施設や武士たちの屋敷がありました。
だから鼠多門橋でお堀を渡ることが、城の本丸へはいるための重要な橋だったわけです。
金沢は、日本全国のなかで城下町の痕跡が最も大規模に、最も完全なかたちで残っている場所として知られています。
こうして歩いてみると、城とその周辺の構造が、道の名前にも、道の痕跡にもちゃんと残っているんですよね。
お堀通り。いいかえれば、お堀の道といったところでしょうか。とにかくこの道、とても気に入りました。
※ 参考までに、グーグルマップでお堀通りを検索すると城の一定区域だけが表示されますが、地図を拡大してよく見ると、金沢城をぐるりと囲む道そのものがお堀通りだとわかります。
韓国のおじさん、zzoosでした。

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