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やさしさで笑顔にしてくれる郷土料理の居酒屋

#26 かにや


:: 今日の夕ごはんはここ、カニヤ

鹿児島についた初日。
今日の夕ごはんをどこで食べるか決められないまま、天文館の通りをうろうろしていました。

もうすこし正直にいうと、前もって検索しておいたお店をGoogleマップにチェックはしていたんです。
でも、まだ心が決まっていませんでした。
黒豚しゃぶしゃぶが食べたかったけど、それは数日後にお店を予約してあったので、ひとまず除外。
焼き鳥にしようかな?とも思いましたが、Googleマップでチェックしておいたお店はもう満席でした。

どこにいこうか迷いながら天文館の路地を歩いていたら、かにやの前にたどりついたとき、心が決まりました。

今日の1軒目は、ここだ!

お店はそんなに大きくありませんでした。
カウンターにだいたい5〜6席、奥には座敷のテーブルが3つくらいあったと思います。

小さな厨房では、ご夫婦らしきおふたりがいそがしく動いていて、厨房の上のほうには、ホワイトボードに手書きしたメニューがみえました。

めずらしいことに、天プラ三種盛りや刺身三種盛りを注文するとき、メニューにあるものの中から3つをえらべるんですよね。
これ、なかなか合理的な注文のしかただと思います。

:: 好きなものを選ぶ、刺身3種盛り

わたしが注文したのは刺身三種盛りです。
地アジ、タカエビ、キビナゴをえらびました。

お通しで出てきたもずく酢といっしょに、焼酎のソーダ割りを飲みはじめます。

鹿児島にきたら、やっぱりキビナゴを食べなきゃですよね。
出水でも初日に食べたんですが、そのときは天ぷらと焼きでした。
新鮮なキビナゴがなかったんです。

韓国語では「セッチュルミョル」というんですが、カタクチイワシに似ているけど、カタクチイワシとはちょっとちがう種類です。
韓国の南海岸や済州で「コンミョルチ」とよんでいる、まさにその魚なんです。

鹿児島の食べものを代表するイメージは、やっぱりキラキラ光るキビナゴじゃないでしょうか。

タカエビは韓国では食べられないエビです。
ほとんど流通していないので、知られている韓国語の名前すらありません。
とれたあと、すぐに鮮度が落ちてしまうので、産地でなければ食べるのがむずかしいエビだそうです。

鹿児島にいったら、ぜひ食べてみるべきエビだと思います。
とてもあまみが強いエビなんです。

写真にはうつっていませんが、エビの丸いかたちをたもつために、半分に切ったキュウリを下にしいてあったのが印象的でした。

韓国ではなぜかあまり人気のないアジです。
メニューに地アジと書いてあるのをみると、近くでとれた天然ものでしょう。

アジは日本のどこでも食べられるので、日本を旅しているあいだは、かならずアジを注文するようにしています。

あのもっちりした食感やねばり、そしてあぶらのせいで、わたしがとても好きな魚なんです。

朝ごはんに出てくる小さな焼き魚も、たいていこのアジを干してから焼いたものです。
定食屋さんにいけば、アジフライ定食もよくみかけますよね。

:: さつま揚げとメヒカリの唐揚げ

つぎに注文したのは、さつま揚げです。

もしかしたら、鹿児島でいちばん有名な食べものといえるかもしれません。
薩摩という鹿児島の昔の地名をとって名前をつけたんです。
日本の人たちに有名な理由は、おでんの代表的なタネだからです。

うーん、これを説明するには「おでん」について、もうすこし説明しないといけないんですが。

日本でいうおでんは、韓国でのそれとは意味がちょっとちがいます。

韓国ではおでんといえば、練りもののことじゃないですか?
でも日本では、おでんは料理の名前です。
だしにいろいろな具を入れて煮て食べる鍋料理を、おでんといいます。
その中に入る具を「おでん」とはよびません。
具にはそれぞれの名前があります。

魚のすり身を蒸したものはかまぼこ、揚げたものはさつま揚げ、棒に巻いて焼いたものはちくわといいます。
これが代表的なおでんのタネなんですよね。
そして、そのひとつであるさつま揚げの元祖が、まさに鹿児島というわけです。

だから鹿児島にきたら、さつま揚げも食べておかないと、ということです。

おつまみがたりなくなって、さいごに注文したのはメヒカリ唐揚げです。
韓国語の名前もあるにはあるんですが、じつは一度も聞いたことのない名前なんです。

指くらいの大きさの深海魚で、目がとても大きくて光るので、メヒカリという名前がついたそうです。
頭を切り落として揚げた料理です。
かるいおつまみにちょうどよかったです。

天文館の文化通りにある、かにや。
鹿児島の郷土料理と魚をあつかう小さなお店です。
親切なだけじゃなく、いつも笑顔で接客してくれて、たのしく冗談にもつきあってくれる大将がいるお店でもあります。

それほどたくさんのメニューがあるわけではないけど、刺身や天ぷらなどを好きなものからえらんで三種盛りで注文できるのが気に入りました。
鹿児島ならではの料理も味わえました。

鹿児島のお店にしては、焼酎の種類はそれほど多くないんですが、めずらしく村尾をとても安く出していました。
ちなみに、わたしは華蛍のさと、純黒、亀五郎などを飲みました。

鹿児島旅行のあいだ、かるく夕ごはんがてら焼酎を一杯飲みに、いつでもまたよりたいお店です。

かなり気に入ったんです。

韓国のおじさん、zzoosでした。


zzoos

live in seoul, love in drink, snap in breeze