わたしは、ふだんお昼ごはんをとても軽くすませるほうです。
そのかわり、夜ごはんはちゃんと食べるようにしています。
だから旅行中のお昼は、地元のものを軽く食べたいなとよく思うんです。
今回の旅でも、鹿児島の地元の人たちの食堂に2軒いきました。
観光客がたくさん来るステキなレストランより、
こういうお店のほうにずっと心がひかれる人も、きっといますよね。

:: カレーとハヤシの老舗、フレンドアンドバード
カレーハヤシ フレンドアンドバード。
英語ではFriend&Bird。
名山町の入口、市役所の向かいの公園のとなりにあるお店です。
桜島へわたるフェリーに乗りにいくときや、
かごしま水族館へいく途中に寄れる場所です。
お店の外で写真をとっていると、
大きなトラックがお店の前にちょっと車をとめて、
テイクアウトの料理を受けとっていくのが見えました。
それで、入る前から信頼できると思ったんです。
トラックの運転手さんたちがテイクアウトして食べる店なら、
おいしくないわけがない、と思いませんか?
メニューには「since 1985」と書いてあるので、少なくとも40年以上のお店です。
それに、うわさによると、ここに移る前は天文館の文化通りでも営業していたようなので、
もっと古いお店かもしれません。
だから、老舗とよんでもいいと思います。


カレーライスを食べにきたのに、メニューを見るとハヤシライスがあります。
なんだかなつかしい感じがするカツハヤシをひとつ注文しました。
ごはんの上にとんかつをのせて、その上からハヤシをかけたものです。
ハヤシは、カレーのようにスパイスを使うのではなく、
デミグラスソースをベースに、肉や野菜などをいっしょに煮こんで、とろっとさせたものです。
カレーのスパイスの強い味とちがって、甘ずっぱい味が特徴です。
韓国の食堂ではあまり見かけませんが、
オットゥギの「3分料理」シリーズのハイライスは、まさにこのハヤシから来た料理なんです。
注文したあと、向かいのテーブルを見ると、
常連さんらしい4人の男の人が、みんなスパカツカレーを食べています。
これはカツカレーのごはんのかわりに、スパゲッティを入れたものです。
じっさいに見てみると、ごはんじゃなくてスパゲッティでもおいしそうだなと思いました。
もしかしたら、このお店の人気メニューはあれなのかもしれません。


950円。
おどろくほど安いとは言えませんが、
じゅうぶん安いカツハヤシが出てきました。
ほんとうにシンプルな見た目です。
ごはんと、とんかつ、そしてその上にかけたハヤシ。
色は、赤みがかったオレンジ色。
わたしは子どものころ、ハヤシライスを食べて育ったわけじゃないんですよね。
それなのに、ふしぎと子どものころを思い出す、思い出の料理みたいな気がします。
ふしぎな料理です。
ハヤシライスって。
ごはんの量がけっこう多いです。
そして、ひとくち、ひとくち食べるたびに感動しました。
すごくおいしかったんです。
お店の雰囲気のせいだったのかもしれません。
となりのテーブルの体の大きな男の人たちが、おいしそうに食べていたからかもしれません。
マスターと奥さんが一生けんめい料理を作っていたからかもしれないし、
鹿児島という町が大好きだからかもしれません。
ハヤシライスが、そこまでおいしかったはずはないんですよね。
でもふしぎなことに、わたしの旅のメモには
「ハヤシライスほんとにおいしい!!!!! グッドだ!グッド!!!」と書いてあるんです。
いったい何が、このハヤシライスをそんなにおいしくしたんでしょうか。


:: 会社員たちのお昼ごはん、鳥夢
天文館のはしっこ、鹿児島中央ビルの地下に、
なかちかグルメタウンというところがあると話したことがあるじゃないですか。
まさにそのアーケードに、お食事と酒処 鳥夢があります。
「食事とお酒の店、鳥夢」という意味なので、
みじかく、ただ鳥夢とよんでもいいです。
近くに大きなビルや会社が集まっているので、
このアーケードはお昼どきに会社員でにぎわう場所です。
その中でも、この鳥夢に来た理由は、お昼の定食です。
わたしが平日の12時ちょっと過ぎに着いたら、
わたしがすわったのを最後に、お店が満席になってしまって、
そのあとはそのまま帰っていくお客さんもたくさんいました。
会社員に人気のお店にちがいありません。

毎日かわる、本日の定食があります。
4つの中からひとつ選べて、値段は1,000円です。
とても安いですよね。
1,000円なんて。
本日のメニューを見てみると、
牛肉メンチカツとアジフライ定食、
牛肉メンチカツと鶏の唐揚げ定食、
牛肉メンチカツとミックスフライ定食、
アジフライとミックスフライ定食の4種類です。
今日はなんだか牛肉をあまり食べたくなかったので、
わたしは最後のメニュー、アジフライとミックスフライ定食を注文しました。
日本を旅行するときは、アジをかならず食べるようにしているんです。

シンプルで質素だけど、ボリュームのある一膳です。
ごはんとみそ汁、それに漬物と春雨サラダがあります。
そしてまん中には、キャベツと、今日の定食の主役のいろいろなフライが、たっぷりのっています。
正直に言うと、ミックスフライはそこまですごい味ではありませんでした。
でもアジフライがとてもおいしくて、
たっぷり盛られた白いごはんとみそ汁といっしょに食べると、家のごはんを食べているような気分でした。
ときどき漬物を食べると、口の中の空気がいちど整います。
それからまた、フライとごはんとみそ汁へとつづく、連続コンボ。
旅行中、毎回「とくべつな食事」ばかりするわけにはいきません。
お金の問題もありますが、おもしろくないし、味にもあきてしまうんですよね。
だからわたしは、ときどきこうして地元の人のふつうのごはんをはさみます。
そして、むしろこういう食事のほうが、とくべつになることもあるような気がします。
この鳥夢での食事もそうでした。
とくべつにおいしい食事ではなかったかもしれませんが、
とても満足できる食事でした。
そういう意味で、みなさんにもおすすめできるお店だと思います。
韓国のおじさん、zzoosでした。
