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文化の森とも呼ばれる公園

#21 本多の森公園


金沢神社を出て、道を渡ります。

すると、とても広々とした公園が現れるんですよね。この公園が、本多の森公園です。本多の森、という意味なんですが。ここでいう「本多」というのは、家名のことです。この土地は、本多家の屋敷があったところなんですよ。

本多家は、加賀藩でもっとも勢力の強い家だったそうです。加賀藩の藩主・前田家を守る、筆頭の武士の家だったといいます。禄高は5万石だったそうで、それだけあれば小さな藩ひとつぶんの経済力だったとか。だからこそ、金沢城のすぐ下という好立地を広く占めることができたんでしょうね。

この公園は、美術館と博物館でいっぱいです。わざわざこんなに集めたのかな、と思うくらい多くて。だからなのか、文化の森公園とも呼ばれているみたいですね。

広い敷地に近代の建物が並び、木々と緑地が広がっています。とても魅力的な公園ですよ。百万石通りを歩いていると、こういうところに出会えるんですよね。だから気分のいい道だって言ってるんです。

広い芝生を囲む建物は、どれも美術館か博物館です。ここにある展示をぜんぶ見ようと思ったら、かなりの時間が必要かもしれません。わたしは、ひとつも見られませんでした。時間が遅すぎたんです。

とはいえ、この公園にある建物をひとつずつ見ていくと。

まず、石川県立美術館があります。かなり大きな建物なのですが、残念ながらこの公園で目をひくデザインではないんですよね。

1980年代に新しく建てた現代的な建物です。そのせいか、この公園のなかでやけに存在感が薄い。でも、所蔵する作品や遺物はそうではないそうで。特に、加賀藩の繁栄を示す前田家の遺物をたくさん見られるといいます。

県立美術館の隣で、むしろ目をひくのが国立工芸館です。

ふたつの古い建物をつなぎあわせた、独特のかたちをしています。この建物たちは、明治時代の陸軍司令部の庁舎を移築して使っているそうです。西洋文化が入ってきた時代に建てられた、西洋式の建物。パステルカラーが独特ですよね。

国立工芸館の隣には、旧陸軍の倉庫として使われていた建物がずらりと並んでいます。この建物たちを活用して、現在は石川県立歴史博物館加賀本多博物館として使われています。

加賀本多というのは、加賀藩の本多家、ということですよね。まさにこの土地のもとの持ち主だった家です。だからこの博物館は、本多家の遺物を保管する博物館なんだそうです。

広い公園をひととおり見てまわったら、今度は国立工芸館と県立美術館のあいだを見てみましょう。よく見ると、小さな散歩道がひとつあるんです。その道を入っていくと水音が聞こえてきます。小さいけれどかなり水量のある滝がひとつあって、その滝の脇の階段を下りていくことができます。

この道が美術の小径です。美術館が集まっているところにある道だからでしょうか。名前がとてもすてきですよね。美術の小径、なんて。

小径を下っていくと、中村記念美術館の裏庭に着きます。醸造業を営んでいた実業家の個人コレクションを展示している美術館だそうで。おもに伝統工芸に関するコレクションが多く、特に茶道で使われる名品の茶器をたくさん見られるといいます。

でも今日はほかに見たいものがあるので、中村記念美術館はパスしましょう。

美術の小径を歩いていくと、また小さな標識にひとつ出会います。そこからは緑の小径です。名前にふさわしく、すっかり緑に包まれた小さな道ですよ。

実はこの名前をはじめて見たとき、名前があまりにもきれいで、大きな期待を抱いていたんですよね。実際に歩いてみると、かわいらしい道ではあるけれど、名前ほどきれいな道ではなかったです。ただ短くて歩きやすい森の道でした。

それでも、その名前と響きには、なんとも言えない余韻があります。みどりのこみち。単純に「みどり」という言葉の感じがいいのかもしれないですね。

この小さな森の道を歩いていくと、中村記念美術館から鈴木大拙館までつながっています。今日の散歩の、最後の目的地です。

わたしがこの散歩コースをつくって歩いた理由のひとつが、まさにそこなんです。なぜそうなのかは、次のポストでお見せします。

韓国のおじさん、zzoosでした。


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