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金沢の「いま」はここにある。

#19 金沢21世紀美術館


ようやく今日の目的地、金沢21世紀美術館に到着しました。

途中、広坂の雰囲気にすっかり引き込まれて、公園をぶらぶらしてしまいましたが。

美術館は、金沢城と兼六園の向かい、広坂の交差点にあります。

昨日は金沢城と兼六園、つまり金沢の過去をたどる一日でしたが、今日は金沢の「いま」を知る一日になりそうですね。

わたしが訪れたとき、すべての展示室が運営されているわけではありませんでした。

半分以上の展示室は次の展示の準備中で、運営中の展示はふたつ。Collection Exhibition 3: Déjà vuAPERTO 21 NOMURA Yuka “Golden River”という展示でした。

そして恒久展示作品も館内のあちこちで見ることができます。

正直に言うと、展示室が細かく区切られていて展示に集中しにくい、というのがかなり大きなデメリットだと感じました。

むしろそのせいで、美術館の建築そのものに目がいく場所でもありましたね。

「ひらかれた美術館」を掲げるこの美術館は、建築としてはとても興味深かったです。

一歩ごとに新しい場面が広がって、自分がどこにいるかわからなくなるほど空間がつながり合い、散らばっていく。そんな豊かな多様性のある場所でした。

入場するときから「インターネット予約」を利用するようにという案内が目に入ったんですよね。

どんな作品を見るのに予約まで必要なんだろう、とだけ思って、あまり気にしていなかったんです。

でも館内をまわっているうちに、その理由がわかりました。

美術館のまんなかには、この美術館を代表する有名な作品が展示されていたんですが。

それが、狭い空間に人が入らなければならない作品だったので、時間を決めて少人数ずつ入場させていたんですね。

それが、Leandro ERLICHの「The Swimming Pool」という作品です。

ウェブやSNSのどこかで見たことがあるかもしれない、プールの上の人たちとプールの下の人たちが水越しにあいさつしているあの場面。

あの作品が、まさにここにあったんですね。

遅ればせながら案内をもう一度確認して、インターネット予約を試みました。

待ち時間はおよそ40分。わたしの前に82人が並んでいました。

チケット売り場のすぐ前や該当の展示室前にQRコードで予約サイトが案内されているので、入場したらすぐに予約しておくことをおすすめします。

平日の午後でこれだけの人気でしたから、週末や混雑する時期はもっとすごいことになりそうですね。

わたしは他の展示をひととおり見てから予約を入れました。

ミュージアムショップに何か記念になるものがないか見てまわって、それから美術館の片隅に腰をおろして時間をつぶしました。

ぼんやりと大きな窓の外を眺めていても、それほど退屈ではありませんでした。

天気がとてもよかったこともあるし、よい建築が与えてくれる心地よさも、きっとひと役買っていたんだと思います。

予想待ち時間が10分以内になったら展示室へ来るようにというメールが届くのですが、わたしはずっとそのページを更新し続けていたので、すぐに展示室の前へ向かいました。

観覧できる時間は合計15分。

ひとり旅らしい中国人男性と一緒に入場しました。

作品のなかにはすでに他の人たちが入っていました。おそらく2〜3人ずつ5分間隔で入場させているか、まあそんな感じだと思います。

入場前にいくつか注意事項をお話しいただくんですが、特に構造物にぶら下がらないようにという点を強調されるんですよね。

それはあたりまえじゃないですか。これは美術作品なんですから。

でも、国籍や人種を問わず、ほぼすべての来館者がぶら下がるんです。

全体重をかけているわけではなさそうですが、それでも…。

金沢を旅していると、伝統と現代がみごとに共存している都市だという感覚がします。

金沢城や兼六園といった歴史的な観光地のすぐ隣に、香林坊のような商業的な繁華街があり、21世紀美術館のような現代的な観光地があります。

その隣には県立美術館と伝統工芸館が続いています。

金沢は戦禍を免れた都市です。

だから城下町の構造をそのまま残している、日本でも数少ない都市のひとつです。

いや、城下町をそのまま保存した都市のなかでは最大規模と言えるでしょう。(京都は城下町ではなく皇都なので、比較の対象ではありませんが。)

江戸時代から幕府に次ぐ全国2位の規模を長く維持しながら、幕府への忠誠を示すために軍事力よりも文化を育てた都市ですから、文化的な遺産もかなり豊富に持っています。

それでも金沢は、「伝統」というものを前面に押し出しません。

金沢駅にある鼓門ともてなしドームにしてもそうです。

伝統的な意味をたっぷりと込めながら、表現の方法はとても現代的です。

金沢城と兼六園のすぐ前にある、この21世紀美術館も、わたしにはそういう文脈で読めます。

最も日本らしい伝統のサイトのすぐ前に、伝統的なデザインとはまったく縁のない、非定形の美術館を建ててある。

だから金沢は、日を重ねるごとにもっと魅力的な都市だと感じています。

韓国のおじさん、zzoosでした。


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zzoos

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