[ ]

石川の地酒がたっぷり

#28 日本酒真琴


バスに乗って金沢駅に着いたのは、4時半ごろでした。白川郷から1時間20分ほどの距離です。朝早くから動いていたし、往復で3時間ほどバスに乗っていたのだから、疲れて当然ですよね。

でも、ホテルに入るよりも、そのまま次の場所に移動したかったんです。金沢駅の東口から出て、右方向の周遊バスに乗りました。15分ほど乗って、ひがし茶屋街のバス停で降りました。

お昼を早めに食べたからだと思います。それとも、白川郷をあんなに一生懸命歩き回ってエネルギーをたくさん使ったせいかもしれない。とにかく、まだ5時にもなっていない早い時間でしたが、お腹が空いていました。

一昨日の夜、ヒゲの店で出会ったヒゲさんの高校の同級生が働いているお店で、きき酒師の資格をお持ちの真琴さんのお店でもあります。真琴さんとも、あの夜に出会っていたんです。そのお店に行ってみることにしました。

お店が早く閉まるから、少し早めに行ったほうがいいと聞いていました。日本酒を売るお店なのに、午後7時には閉店します。曜日によっては午後3時に閉まることもあるので、営業時間を確認してから行くのがいいですよ。

お店の名前はオーナーの名前からとった日本酒真琴です。石川県の地酒をものすごくたくさん揃えているお店で、軽い食事もできます。1時間の日本酒飲み放題もできるので、とてもいいお店ですよね。飲み放題をしなくても、きき酒師のマスターが日本酒を推薦してくれます。

お店に着いて、最初の一杯は日本酒をおすすめしてほしいとお願いしました。酸味のいい現代的な日本酒が好きだと伝えたら、これをすすめてくれました。

石川県を代表する日本酒のひとつ、手取川のYoshida (U) Layeredです。

好みを簡単に説明しただけなのに、文字通りわたしが好きなスタイルの日本酒をぴったり選んでくれました。酸味とミネラルがベースになって、名前のように複雑な香りが重なり合って感じられるお酒です。

この旅での収穫のひとつが、この手取川という日本酒です。何を食べても美味しかったんですよね。

何を食べたらいいか話していたら、3種おまかせがあるとおっしゃったので、それをお願いしました。その日その日で変わる3品です。

この日はかれいの煮つけと、きのこと野菜のトマトソース炒め、そしていわしの焼き物が出ました。残念ながら、いわしの焼き物の写真は撮れなかったんですが。

甘くてしょっぱい日本式の魚の煮つけ、香ばしいいわしの焼き物、そして雰囲気をがらりと変えてくれるトマトソース炒め。いろんな味が楽しめました。

とくにトマトソース炒めにタバスコをかけると、味がぐっと変わるのが面白かったです。

日本酒が好きなら1時間の飲み放題もあると説明してくださったので、すぐにお願いすることにしました。飲み放題とは、決められた時間内に無制限でお酒が飲めるシステムのことですね。

こちら日本酒真琴のルールはシンプルでした。

小さなグラスをひとつだけ使うことができて、すでに開封されているお酒はどれでも飲んでみることができますが、未開封のものは開けることができないとのこと。

自分でお酒を選んで席に持ってきて、グラスに注いで飲んで、また瓶を元の場所に戻す、完全セルフのシステムです。

オーナーさんと一緒に、お酒を保管している冷蔵庫の前に立って、お酒についての説明を少し聞いて。わたしが最初に選んだのは、宗玄ソウゲン純米 八反錦ハッタンニシキ無濾過生原酒 No.1です。

八反錦ハッタンニシキという酒造好適米を使っているんですね。はじめて飲むお米な気がします。

ラベルから感じる雰囲気はすごくクラシックな味わいだろうと思っていたのに、実際に飲んでみると、とてもすっきりしていて雑味がなく、バランスがいいんです。広島の酒造好適米だという八反錦の力なのかな、とも思います。

次のお酒は加賀鶴 純米 搾りたて 生原酒です。

そのときのテイスティングノートを見返すと、このお酒をとても気に入っていますね。すっきりした感じ、口の中に広がるうまみ、自然な酸味みたいなものが良かったです。

興味深いのは、最初に飲んだお酒とこのお酒が、どちらも百万石乃白ヒャクマンゴクノシロを使っているという点です。もしかしたら、わたしはこのお米が好きなのかもしれないですね。

今度は獅子の里 超辛口 純米酒です。

残念ながら、このお酒からは何も感じることができませんでした。超辛口特有のすっきり感が、むしろ物足りなさとして伝わってきた感じで、それでもあまりにも味気なかったんですよね?

わたしが思うに、原因はびんの底が見えるほどしか残っていなかったことだと思います。開封からかなり時間が経っているお酒だった可能性が高いですね。

次は加賀鳶 夏純米 生です。

石川県の日本酒ブランドの中には、加賀という漢字を使うところが本当にたくさんあります。この辺りがかつて加賀藩だったからなんですよね。最初はそれを知らなくて、加賀から始まる名前をざっと見て、全部同じブランドだと思っていました。

結局、帰国するときに選んで帰った日本酒も加賀という漢字の入ったものでした。幻の加賀の庄マボロシノカガノショウと書いてあるのを同じブランドだと思って買ってきたりもしました。

ともあれ、このお酒は加賀鳶が夏限定で出す純米酒です。辛みが少し感じられるのが特徴的で、全体的にはすっきりしたお酒でした。

2番目に飲んだ加賀鶴と同じブランドだと思って、ただ美味しいとだけ思っていたのですが、今になって振り返ると、加賀鶴のほうがより複雑で上品で、加賀鳶はもう少しシンプルで明快なスタイルだったような気がします。

次は手取川 春 純米 辛口です。手取川が季節ごとに限定で出している四季シリーズの、春シリーズだそうですよ。

先ほど飲んだ辛口とは違って、これはすっきりしているけれど、味や香りが多彩です。そして余韻をきれいに消してくれるあの後味が、物足りないというよりは、むしろ小川の水を飲んだようなすっきり感として伝わってくるんですね。

このお酒も気に入りました。

もう少し調べてみると、このお酒も百万石乃白を使っているそうです。

じっと座ってちびちびと飲んでいたら、おつまみがもっと欲しくなってきました。それでおでん定食を注文したんです。ご飯でお腹を少し満たしながら、おかずとおでんでおつまみにもできるじゃないですか?

注文してみたら量がとても豊富で、最初から3種おまかせを注文しなくても良かったんじゃないかな、という気持ちにもなってきました。

今度の日本酒は萬歳楽マンザイラク純米です。

萬歳楽のイメージは少しありきたりだと言えるかもしれないけれど、それはそれで、長い間愛されてきた証でもあるんですよね。

第一印象は、ほんのりとした甘さがあります。そして心地よいうまみが感じられて、結論としては美味しいですね。やっぱり、長い間愛されてきた理由がわかる味です。

さて、次は天狗舞 しぼりたて 本醸造 生酒です。

天狗舞を代表する冬季限定酒のひとつだそうですよ。

本醸造ということは、お米だけで作ったお酒じゃないということです。醸造用アルコールが使える等級ですね。

醸造用アルコールを添加するから安い等級だと思いがちですが、そうではないんです。蔵のコンセプトによっては、味や香りを整えるためにアルコールを使うこともありますから。

わたしの話をすると、前に飲んだ天狗舞がいまいちで、悪い先入観を持ったまま飲んでみたのに、あまりケチのつけようのないすっきりした印象を受けました。

醸造用アルコールがお米の雑味をきれいに整えてくれたからだと思います。だから、本醸造だからといって見くびってはいけないと思います。

最後に飲んだのは、再び手取川です。今度は手取川 純米吟醸 生原酒 石川門ですよ。

これは、金沢に着いた初日に飲んだものと似ています。あの日は手取川 純米大吟醸 無濾過原酒 石川門を飲みました。

どちらも石川門というお米で作ったということは同じなんですが、純米大吟醸と純米吟醸、つまりお米をどれだけ削ったかが違うんですね。

結論から言うと、どちらも結局わたしの好みではありませんでした。手取川のお酒はどれも美味しかったのに、不思議とこれらはいまいちです。

吟醸と大吟醸、つまり吟醸香のせいだったのでしょうか?それとも石川門というお米のせいなのでしょうか?

そう考えると、石川県で開発した酒造好適米の中で、百万石乃白を使ったお酒はどれも気に入ったんですよね。

ワインでぶどうの品種が大切なように、日本酒でもお米の品種がこんなにも大切なんですね。

日本酒真琴は、まさに石川県の地酒をたっぷり飲めるお店でした。1時間の飲み放題で、8種類の日本酒を飲みました。

でも、わたしのおすすめは飲み放題よりも、ちゃんとおすすめしてもらいながら一杯ずつ飲んでいくことです。飲み放題は、やっぱり自分で選ぶことになるので、それぞれのお酒についてよく知らないまま選ぶしかないのが少し惜しかったんです。

グラスが小さくて、たっぷり注いで飲めないのも惜しい点のひとつでした。だから次に訪れる機会があれば、おすすめしてもらいながら一杯一杯ちゃんと飲んでみたいなと思います。

さあ、頑張って食べたものを消化しないといけませんね。

このひがし茶屋街は、まだちゃんと歩き回っていないところなんです。

実は、ここで早めの夕食をとったのは、日が暮れた後にひがし茶屋街の夜景を撮るためでもありました。昼は人が多すぎてちゃんと写真が撮れないだろうというのを、どこかで読んでいたんですよね。

だから、これからはお酒を少し醒ましながら、消化もかねてひがし茶屋街を散歩する予定です。

次のポストでは、金沢の有名な観光スポットのひとつであるひがし茶屋街の夜景をお見せしますね。

韓国のおじさん、zzoosでした。


This post is part of

zzoos

live in seoul, love in drink, snap in breeze


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です