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金沢最後の夜、旅でいちばんのごちそう

#40 大関


6泊7日の旅の最終日、いよいよ金沢での最後の夕食です。おいしい夕食で旅を締めくくりたい気持ちなんです。何日か前にイルマーレでおすすめしてもらったお店のうちの一軒に来ました。

木倉町きぐらまちの入り口にある大関です。

看板には「大衆割烹」と書かれていますね。

割烹は居酒屋とは少し違うお店です。手作りの料理を主力にするところなんですね。居酒屋はそれに比べて、もっと簡単な料理とともにくつろげる空間を提供するところで、酒場は料理やつまみよりもお酒が中心になるところです。

なので割烹はふつう、居酒屋や酒場よりも高めなんですが、「大衆」という言葉がついているので、それほど値段は高くないお店だろうと予想できます。実際、安めの居酒屋と同じくらいの価格帯です。

お店はかなり広いです。カウンター席も10席くらいあります。写真に写っていない奥のほうには、靴を脱いで上がって座れる部屋がいくつもあるんです。

午後6時ごろに着いたときは、お店はゆったりしていました。でも少し時間がたつと、お客さんでぎゅうぎゅうに埋まる、人気のお店なんです。

お店の主人らしきご夫婦と、その息子さんらしき中年の男性が一緒に働いている様子を見て、その人気の理由がなんとなくわかりました。常連さんが多いみたいなんですよね。

最初の注文は、刺身の盛り合わせと焼酎のソーダ割りです。

大きなピンク色の身はメジマグロでした。その下のきれいなエビは甘エビです。右側の白身魚はヒラメのようですね。日本でヒラメを食べることって、あまりないんですけどね。

左上は貝の一種のように見えて、その下にはサヨリがあります。サヨリの下によく見えないですけど、イカもあったんですが、イカの種類はよくわからないですね。

全体的にふつうだけど、すっきりとした刺身でした。金沢を代表する有名な海産物は盛り合わせから外れていましたが、そのぶん値段が安くてよかったです。久しぶりに食べるメジマグロもよかったですし。

メニューを見ると、おでんの種類がとても多いんですよね?それでこのお店の主力メニューは金沢おでんなんだな!と思って、おでんを何種類か注文してみます。

まず、真ん中の丸いおでんが、金沢を代表するおでんである車麩です。小麦グルテンで丸く作ったおでんだそうですが、だしをたっぷり含んでいるうえに、もちもちとした食感があって、めずらしくておいしかったです。

日本のおでんのなかでも、よく見かけるかまぼこも注文しました。とくに写真で見えるように、赤と白が渦を巻いているかまぼこを赤巻というそうなんです。この形のかまぼこも、金沢おでんの代表のひとつなんだそうですね。

そして、ふつうだけどわたしが好きなごぼう天もひとつ注文しました。ごぼうを魚のすり身で包んで揚げたものですね。

そして最後に、ここで食べたもののなかで、いや、今回の旅で食べたもののなかで、いちばん感動したまさにそれ、バイ貝のおでんです。

大人のこぶしくらいある大きなバイ貝をだしでよく煮たあと、注文が入ってからようやく取り出して、わたを傷つけないように、金づちで殻をそっと割ります。

そうやって、バイ貝のわたをひとつも傷つけずに、ぜんぶ、きれいに出してくれるんです。

わたしはもともと、サザエやバイ貝のような貝のわたが好きなんです。あのほろ苦い味が好きなんですよね。その味をひとつも逃さず、きちんと味わえるように用意してくれる、このおでんが、今回の旅でいちばんのメニューでした。

おでんがとても気に入って、日本酒を注文しました。お店の壁を見ると、お店の名前と同じ名前の日本酒がずらりと並んでいたんです。

お店が特別に頼んで作ったものなのかな?とちょっと調べてみたら、この大関という日本酒は、日本ではけっこう大衆的な日本酒のひとつなんですよね。たまたまお店の名前と同じ日本酒があるので、みんなもそれをよく飲むみたいです。

なので、わたしも一合をいただきました。

おでんが気に入って、もう何種類か注文してみます。

いや、本当は、バイ貝をもっと食べたくて追加注文をしていて、一種類だけ頼むのもちょっとなんなので、はんぺんと糸こんにゃくも一緒に注文したんです。

そのせいか、はんぺんや糸こんにゃくは、ただふつうの味でした。

ただ、バイ貝は、ああ、やっぱり、二回目に食べてもおいしいです。

バイ貝は680円で、ほかのおでんよりも3倍くらい高いんですよね?でも、これを食べるためなら、これくらいの出費はじゅうぶん払いたい気持ちになります。もちろん、あくまでも、個人的な好みがとても強く反映されたものですけどね。

ある程度おなかを満たしたあと、急いでお店を出ました。今夜は行くところが多いんです。

イルマーレに寄って、もう帰るとあいさつをしました。イルマーレの家族も、近いうちに韓国へ旅行に来るそうです。韓国に来たらぜひ連絡してねと言いながら、おたがいの連絡先を交換しました。

弘幸ひろこにもまた寄りました。たくさんの人たちと笑って騒ぎながら飲んでいたら、おもしろいおじさんに出会って、一緒におつゆやというお店に場所を移して、もっと飲みました。このお店も、とてもおもしろいところでした。

そうやって明け方まで飲んで、名残おしい気持ちをいっぱい抱えて、ホテルに戻りました。明日は朝早くから、韓国へ帰る準備をしなくちゃいけないんです。

韓国のおじさん、zzoosでした。


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zzoos

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